
スペイン語で「ヘビ」は何と言うのでしょうか?
実は、スペイン語にはヘビに関する単語がいくつもあり、さらにことわざやスラング、神話にも深く関わっています。
今回は、スペイン語でのヘビの単語・表現、ヘビを使った面白い比喩やスラング、さらにはスペイン語圏の神話に登場するヘビの伝説まで解説します。
ヘビはスペイン語で「serpiente(セルピエンテ)」
スペイン語で「ヘビ」は「serpiente(セルピエンテ)」といいます。
また、「víbora(ビボラ)」という単語もあり、こちらはおもに毒ヘビを指すことが多いです。
さらに、「culebra(クレブラ)」は小型のヘビや無毒のヘビを指す際に使われます。
ヘビの特性によって呼び方が変わるんですね
ヘビに関するスペイン語のことわざやスラング
スペイン語には、ヘビに関する表現が多くあります。
Cría cuervos y te sacarán los ojos. / 恩を仇で返される
直訳すると「カラスを育てると目をつつかれる」ですが、これは「恩を仇で返される」という意味のことわざです。
ヘビそのものは登場しませんが、動物を使った裏切りの比喩として関連性があります。
Ser más astuto que una serpiente. / 非常に狡猾である
直訳すると「ヘビよりも狡猾である」という意味で、ずる賢い人やその様を表すときに使います。
Ser una víbora. / 意地悪な人、毒舌な人
直訳すると「ビボラのような人」となり、意地悪な人や毒舌な人を指す表現です。
毒を持つヘビのイメージから、他人に害を及ぼす人を指します。
Soltar la serpiente. / 嘘をつく、デマを流す
そのまま訳すと「ヘビを放つ」となり、「嘘をつく」や「デマを流す」という意味のスラングです。
ヘビが滑らかに動く様子から、巧みに嘘をつくことを表現しています。
Ser una culebra. / ずる賢い人、信用できない人
直訳すると「クレブラのような人」です。
「ずる賢い人」や「信用できない人」を指す表現で、ヘビの滑らかさや狡猾さから、そのような人の性格を表現しています。
Andar como una serpiente. / こそこそと動く、隠れて行動する
そのまま訳すと「ヘビのように歩く」になります。
「こそこそと動く」や「隠れて行動する」という意味で、ヘビの動きから人の行動を比喩的に表しているフレーズです。
ネガティブな表現が多い印象です
スペイン語圏における蛇の文化的な位置づけ
スペイン語圏の各国において、ヘビは文化や信仰、象徴として多様な位置づけを持っています。
それぞれの国のヘビに関する文化的な位置づけを見てみましょう。
メキシコ

メキシコでは、ヘビは古代文明から現在に至るまで重要なシンボルとされています。
とくに、アステカ神話のケツァルコアトル(Quetzalcóatl)は「羽毛のあるヘビ」として知られ、創造、知識、風、生命を象徴する神として崇拝されてきました。
また、メキシコの国旗には、サボテンの上でヘビをくわえた鷲の紋章が描かれており、これはアステカの伝説に基づいています。
グアテマラ

グアテマラのマヤ文明においても、ヘビは神聖な存在とされてきました。
ククルカン(Kukulkán)という「羽毛のあるヘビ」の神が信仰されており、これはケツァルコアトルと同一視されることもあります。
ユカタン半島のチチェン・イッツァ遺跡には、ククルカン神殿があり、春分と秋分の日には、階段にヘビの影が現れる現象が有名です。
ペルー

ペルーのアンデス地域では、ヘビはウィラコチャ(Viracocha)などの神話に登場し、知恵や再生の象徴とされています。
また、インカ文明においても、ヘビは地下世界や知識を象徴する存在として重要視されていました。
スペイン
スペイン本国においては、ヘビは主にキリスト教の影響を受け、誘惑や悪の象徴とされることが多いです。
しかし、地方の伝承や民話には、ヘビが守護者や知恵の象徴として登場することもあり、多面的な存在として描かれています。
神話の時代から登場してるんですね
スペイン語とヘビは関係が深い

スペイン語における「ヘビ」は、単なる動物の名称にとどまらず、ことわざやスラング、神話にも深く関わる存在です。
スペイン語圏では、ヘビは「狡猾さ」「危険」と同時に「知恵」「生命の象徴」としても捉えられています。
このような角度から、スペイン語としての動物をとらえると別の面白さがありますね。
以上です。