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スペイン語の線過去を深堀り!点過去や過去進行形との見分け方を解説

スペイン語の線過去の画像

スペイン語における過去の時制は、日本人からするとややこしいものですよね。

とくに、線過去と点過去、過去進行形との違いは、頭が混乱するものです。

この記事では、スペイン語の線過去の使い方や動詞活用、さらに点過去や過去進行形との違いを丁寧に解説しています。

また、日常生活で頻出する例文を記載しているため、そのままネイティブとの会話で使えますよ。

スペイン語の線過去で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

この記事でわかること

  • 線過去の定義
  • 線過去の動詞活用(規則・不規則)
  • 線過去の使いどころ

線過去とは?

「線過去(pretérito imperfecto)」は、おもに過去の習慣・継続していた行動・背景描写などを表現するために使われます。

スペイン語の規範を定める公的機関「Real Academia Española(RAE:スペイン王立アカデミー)」は、以下のように定義しています。

que hace referencia a acciones, procesos o estados situando su desarrollo
en un tramo temporal simultáneo a otras situaciones pasadas.

Como tiempo imperfectivo, el pretérito imperfecto no alude al comienzo ni al final de la situación descrita, sino a su transcurso.

REAL ACADEMIA ESPAÑOLAから一部抜粋

意訳してみましょう。

「行為、過程、または状態を指し、他の過去の状況と同じ期間に置く」
「線過去は、過去の状況の始まりや終わりではなく、その経過を表現する」

例えば、日本語で「子供の頃、よく公園で遊んでいた」や「昔は静かな街だった」と言いたい場合、この「〜していた」「〜だった」に相当するのが線過去です。

英語のused to や was/were + -ing のニュアンスに近い時制です

線過去の動詞活用

線過去の動詞活用は比較的シンプルで、規則的に変化します。

線過去の規則活用

主語 - ar
(hablar)
-er / ir
(comer / vivir)
Yo hablaba comía / vivía
hablabas comías / vivías
Él/Ella/Usted hablaba comía / vivía
Nosotros/as hablábamos comíamos / vivíamos
Vosotros/as hablabais comíais / vivíais
Ellos/Ellas/Ustedes hablaban comían / vivían

線過去の不規則動詞

線過去には、特別な不規則動詞が 3つ だけあります。

主語serirver
Yoeraibaveía
erasibasveías
Él/Ella/Ustederaibaveía
Nosotros/aséramosíbamosveíamos
Vosotros/aseraisibaisveíais
Ellos/Ellas/Ustedeseranibanveían

線過去はいつ使う?

線過去は、次のような場面で使われます。

  • 過去の継続的な状態
    Cuando era niño, vivía en Barcelona.
     -子供の頃、バルセロナに住んでいた。
     La ciudad era muy tranquila antes.
     -昔、この街はとても静かだった。
  • 過去の習慣的な行動
    Todos los domingos íbamos a la playa.
     -毎週日曜日、私たちは海に行っていた。
    Cuando era niño, jugaba con mis amigos en el parque.
     -子供の頃、友達と公園で遊んでいた。
  • 過去のある時点での動作(進行中の動作)
    Mientras cenábamos, sonó el teléfono.
     -夕食を食べている間に、電話が鳴った。
    Estudiaba cuando mi madre me llamó.
     -母が電話してきた時、私は勉強していた。

線過去と点過去、過去進行形との違い

スペイン語学習者が混乱しがちな、過去の表現との違いを解説します。

線過去と点過去の違い

線過去と点過去はどちらも過去を表しますが、それぞれの意味合いが異なります。

比較ポイント線過去点過去
いつ?子供の頃
昔(漠然とした時期)
昨日、先週(明確な時期)
回数は?よく、いつも(習慣的)一回限り(完了した行為)
状態は?〜だった(継続的な状態)
~していた(過去の状況の説明)
〜した(完了した行為)

例文で比較

  • 線過去(継続・習慣)
    Cuando era niño, jugaba en el parque todos los días.
    (子供の頃、毎日公園で遊んでいた。)
  • 点過去(完了した行為)
    Ayer jugué en el parque.
    (昨日、公園で遊んだ。)

線過去は「繰り返し」や「継続的な出来事」を表すのに対し、点過去は「単発の出来事」や「明確に完了した行為」を示します。

線過去と過去進行形の違い

スペイン語では、過去の特定の期間に進行中だったことを表す過去進行形があります。

過去進行形は「estar(線過去) + 現在分詞」で表し、ニュアンスは「~していた」「~している最中だった」です。

日本語であれば、どちらも「~していた」で通じますが、スペイン語ではそうはいきません。

まずは、表で比較しましょう。

比較ポイント 線過去 過去進行形
使いどころ ・過去の継続していた状況
・過去の習慣的な行動
・過去の特定の期間に
進行中だった動作
よく使われる
時間表現
Antes、siempre、
Cuando era niño
Ayer a las 5、mientras

2つの使いどころを見分ける大きな基準として「過去にそれを行っていた幅」が挙げられます。

  • 線過去
    「Antes(以前は)」「siempre(いつも)」など大まかな期間
  • 過去進行形
    「Ayer a las 5(昨日の5時)」「mientras(~している間)」など瞬間的な期間

また、過去進行形は「そのときの動作」を強調するニュアンスがあり「~している最中だった」という日本語が当てはまるでしょう。

例文で比較

続いて、線過去と過去進行形を例文で比較します。

本を読んでいた

線過去
Antes, solía leer un libro.
-以前は、本をよく読んでいた。
過去進行形
En ese momento, estaba leyendo un libro.
-その時、本を読んでいるところだった。

線過去では「Antes(以前は)」「solía(よく~する)」を使い、過去に繰り返していた習慣を表しています。

過去進行形では「En ese momento(その瞬間)」を用いて「まさにその瞬間進行中だったこと」を強調しています。

solíaは、動詞solerの線過去形です

私は歩いていた

線過去
Siempre caminaba por este parque.
-いつもこの公園を歩いていた。
過去進行形
En ese instante, estaba caminando por el parque.
-その瞬間、公園を歩いている最中だった。

線過去では「Siempre(いつも)」を使い、習慣的な行動を表現しています。

過去進行形においては「En ese instante(その瞬間)」を使い、ある特定の瞬間的な時間の動作を強調しています。

・私はテレビを見ていた

線過去
Todos los días veía la televisión después de cenar.
-毎日、夕食の後にはテレビを見ていた。
過去進行形
Cuando llamaste, estaba viendo la televisión.
-君が電話をかけたとき、テレビを見ている最中だった。

線過去では「Todos los dias(毎日)」を使い、日常的な習慣を示しています。

過去進行形では「Cuando llamaste」(君が電話をかけたとき)を使い、「電話の瞬間に進行中だったこと」を表現しています。

私はピアノを弾いていた

線過去
Cuando tenía 10 años, tocaba el Piano todos los dias.
-10歳のとき、毎日ピアノを弾いていた。
過去進行形
En ese momento, estaba tocando el Piano.
-その時、ピアノを弾いている最中だった。

線過去では「Cuando tenía 10 años(10歳のとき)」を使い、過去の習慣を表しています。

過去進行形では「En ese momento(その時)」を使い、ちょうどその瞬間にピアノを弾いていたことを示しています。

「~していたとき」はCuando + 線過去で表します

mientrasはよく使う

「mientras」を使った「~している間、~していた」は、スペイン語圏でよく使われる表現です。

Mientras + (主語)+ 線過去、(主語)+ estar + 過去分詞

例文で見てみましょう。

  • Mientras yo trabajaba, mi hermano estaba jugando.
    -わたしが仕事をしていたとき、弟は遊んでいた。
  • Mientras cocinabaestaba viendo la televisión.
    -わたしが料理をしている間、彼はテレビを見ている最中だった。

構文はよくでてくるので、頭に入れちゃいましょう

スペイン語の線過去のまとめ

スペイン語の線過去についてまとめます。

  • 線過去は過去の習慣や継続していたこと、状況説明を表すのに使う!
  • 点過去は完結したこと、過去進行形はその瞬間に進行中だったことを表す!
  • 不規則動詞は3つのみ!

線過去については、上記の3つを意識することで使いこなせるでしょう。

そして、学習を続けることで、どのようなシーンで使うかわかってきます。

慣れたらこっちのもんです

以上です。

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