
独学でスペイン語を学ぶためには、参考書やドリルといった教材が必要です。
しかし、書店に行って探したりインターネットで探したりしても、どの教材が自身にフィットしているかわかりません。
とくに学習を始めたばかりのころは、選んだテキストによってモチベーションが下がってしまう可能性もあるでしょう。
この記事では、テキスト選びのポイントと、僕が実際に使っている教材を紹介します。スペイン語の教材選びで迷っている方は、最後まで読んでみて下さいね。
※本記事にはアフィリエイト広告が含まれております。
独学のための参考書を選ぶポイント
はじめに、初心者が迷いやすいテキスト選びのポイントから紹介していきます。
参考書ごとの強みを知る
参考書は、それぞれ得意としている分野があります。
それは、イラストや図を多用したわかりやすさだったり、1つのカテゴリーの解説量であったりと多岐に渡ります。
一口に参考書と言ってもさまざまである
- 時制や冠詞、直説法などのスペイン語の基本に焦点を定めているもの
- 接続法や慣用表現など、基本を学び終えた中級者向けのもの
- DELE対策や動詞のみといった、何かに特化したもの
目標やレベルに合った参考書を見つけましょう
同じ種類のものと比較する
たとえば単語帳を探している場合、購入する前にほかの単語帳と比べてみるといいでしょう。
購入前に比較する
- 「Aの単語帳はわかりやすい、Bの単語帳は単語数が豊富、Cはネイティブスピーカーの音声CDが付いている
- さまざまな単語帳を比べて、上記の3つを満たしている単語帳が理想
経験上、1冊を即決して購入してしまうと、後々後悔することが多いです
著者が明らかになっているか確認する
参考書を選ぶ際は、誰によって書かれたかが明らかになっているものを選ぶと失敗しません。
著者が明らかになっているものを選ぶ
- 大半のテキストは著者の経歴が明確だが、なかには誰が書いたかわからないものも存在する
- 経歴不明のテキストは、スペイン語初心者にとっては悪い影響を与える恐れがある
- 訳者の経歴も同様に確認する
はじめて参考にするテキストは、正確性が重要です
第3者による評価や口コミを調べる
客観的な評価は、モノを選ぶときの重要な指標になります。
とくに、自身の知識が乏しい分野である場合は、何を基準にして選べば良いかわかりません。
評価や口コミを参考にしてみるのも1つの手段ですよ
弱点を強化できるものを選ぶ
すでに自身の弱点を把握している場合は、弱点克服に特化した参考書を選びましょう。
バランスよく勉強する
- 語学では、書く・読む・聞く・話すの4つの要素をバランスよく伸ばすことが重要である
- スペイン語能力を証明するDELEの試験では、上記の4つすべてのスキルが試される
資格取得を目指しているのなら、弱い部分を強化することが合格への近道です
直感に従う
どうしても選べないときは、理屈ではなく直感に従うのも立派な方法です。
「 自分はこれがいい気がする」という感覚は大事であり、理屈や損得で物事を考えすぎると、返って悪い方向に向かってしまう場合があります。
直感による選択が思わぬ成果を生み出すこともあるため、参考書を選ぶ際の最終手段として候補に入れておくといいでしょう。
最後は自分を信じる!
初心者におすすめするスペイン語テキスト7冊

なんだかんだ言っても、どんな参考書が自分に合うのかピンときませんよね。
そこで、僕がスペイン語の勉強に使っているものを紹介します。
選んだ理由も添えているので、良ければ参考にしてみて下さいね。
極める!シリーズ

白水社から出版されている「極める!」シリーズは、僕が独学を始めたときから使っているドリルです。
おすすめする理由
- 各章ごとの練習問題が多いため、頭に刻みこまれやすい
- アルファベットや発音など、スペイン語の基礎から身につけることができる
- それぞれの巻末にある頻出動詞の活用表や、位置や時の表現のまとめ表が便利
それぞれの特徴を紹介していきます。
極める!スペイン語の基本文法ドリル
赤いカバーが目印の「極める!スペイン語の基本文法ドリル」です。
僕はこの本で勉強しましたが、簡単な会話ができるくらいになります。
おすすめする理由
- アルファベット、発音、綴りからスタート
- スペイン語の基本である直説法の時制をすべて網羅
- わかりにくい前置詞や接続詞、人称代名詞なども学べる
構成は、概要、例文、練習問題(約100問)となっており、基本作りに重きを置いています。
あらゆるアプローチの問題があるため、飽きずに取り組むことができるでしょう。
解答欄には詳しい解説が記載されていませんが、「なぜ間違えたのか」という原因を自身で探ることも学習の一環です。
自身で調べるクセが身につきますよ
極める!スペイン語の接続法ドリル
青のカバーが目を惹く「極める!スペイン語の接続法ドリル」です。
感情や意見といった細かい表現を学ぶことができます。
おすすめする理由
- 接続法の時制をすべて網羅
- 「願望」や「価値判断」、「命令」など、細かいニュアンスを学べる
- 巻末の直説法と接続法の動詞活用表が便利
構成は、「基本文法ドリル」と同じで、練習問題がメインとなります。
接続法では、おぼえることが格段に増えるため「動詞活用の把握」に焦点を絞るといいでしょう。
とりあえず、よく使うであろう動詞をおぼえればスムーズに学習が進みます。
ドリルは1回やって終わりではなく、何回も取り組むことが大事!
極める!スペイン語の動詞ドリル
緑色のカバーは、「極める!スペイン語の動詞ドリル」です。
直説法、接続法、命令形、不定詞、現在・過去分詞といった、スペイン語の動詞を徹底的に学べる1冊です。
おすすめする理由
- スペイン語で使う動詞活用を網羅
- 構成は上記の2冊と同じ
- 動詞活用が苦手な人向け
スペイン語の動詞は、時制だけでなく不規則に変化するタイプもあり、日本人からするとややこしく感じるでしょう。
おぼえるのは簡単ではありませんが、やればやった分だけ確実に力になるため、コツコツ取り組んでいきたいものです。
とくに、不規則変化動詞は慣れないとわからないので、たくさん問題をこなして頭に叩き込んじゃいましょう
CDブック これなら覚えられる!スペイン語単語帳
NHK出版の「これなら覚えられる!スペイン語 単語帳」です。
約1,500もの単語や表現を学べる単語帳です。日常生活で頻出する単語が収められており、多くのスペイン語学習者に支持されています。例文入りのCDが2枚付いており、リスニングの練習にも役立ちます。
おすすめする理由
- 「食べる」や「旅行」といった場面別で学べる
- 単語とともに例文も表記されているため、使い方もわかる
- 混乱しやすい「前置詞」や「接続詞」なども収録
スペイン語の「読み」と例文の訳文が赤く表記されているため、付属の赤シートでいつでも復習できる手軽さも魅力です。
1ページあたり6語なので、継続しやすい!
例文で覚える スペイン語熟語集
白水社「例文で覚えるスペイン語熟語集」は、単語の組み合わせで意味が変わるスペイン語を収録しています。
実生活で使える1,500の熟語と例文が網羅されており、スペイン語の細かいニュアンスを学びたい方にピッタリの1冊です。
おすすめする理由
- スペイン語の表現の幅が広がる
- すぐに調べられるため、利便性が高い
- 熟語はどんな場面でも頻出することから、熟語に特化した1冊があると重宝する
語学を勉強していると、直訳で表現できない熟語に遭遇します。
そんなときに活躍してくれる熟語集です。
テキストに出てくる熟語表現は、この本にあらかた載ってます
ELE ACTUAL A1
SM社の「ELE ACTUAL」は、CEFR(ヨーロッパ共通参照枠)に準拠したテキストです。
音声CDが2枚付いており、カスティージョ(スペイン)だけでなくエスパニョール(ラテンアメリカ)の音声も収録されているため、いわゆるスペイン語全般を学ぶことができます。
CEFRとは?
CEFRは「The Common European Framework of Reference for Languages」の略称です。
外国語をいかに理解しているかを示す指標であり、対象言語はスペイン語だけでなく、ドイツ語やフランス語、英語や日本語など40言語に上ります。
CEFRはヨーロッパの教育現場で活用されている反面、求職する際にはTOEICやDELEで表記することが一般的です。
仕事に応募するときは、CEFRの具体的なレベルや○○相当といった説明を補足することで相手に伝わります。
ELE ACTUALは、スペイン語で出題されます。
また、長文読解やリスニング問題などの問題形式も用意されているため、CEFRだけでなくDELE対策にも活用できるでしょう。
おすすめする理由
- イラストや写真が多用されており、見やすいページ構成である
- すべてスペイン語で表記されていることから、DELE対策にも使える
- 付属してある2枚の音声CDによって、リスニング力も鍛えることができる
いまの実力を試すのにもおすすめ!
DICCIONARIO 西和・和西辞典

EDITORIAL JUVENTUDの「DICCIONARIO 西和・和西辞典」です。
これは、マンツーマンでレッスンしてくれたスペイン人の先生から頂いたもので、とても思い入れがある辞書です。その先生が、来日前に使っていたものを譲り受けたため、随所に当時の書き込みが残っています。
おすすめする理由
- Castellano(スペインのスペイン語)を学びたい方にピッタリ
- 単語の意味だけでなく、品詞や専門用語、通俗語などの種類がわかる
- スペイン人向けに創刊されたため、日本製にはない単語も載っている
2009年に作られたことから、現在の意味合いと少し異なる場合があります。
また、言葉も時代によって変わることがあるため、初心者の方は最新バージョンを購入すると良いでしょう。
紙の辞書は、探している単語以外も目に入るため、+α でおぼえられるメリットがあります。
アプリも良いけど、紙の辞書も良い部分がたくさんありますよ
※ この辞典を取り扱っている書店が見つかりませんでした。
スペイン語の先生とのレッスンで使えるテキスト2冊
僕はパニック障害になる前、スペインの大学で日本語学科を修め、その後日本の大学でスペイン語を教えている方にマンツーマンで教えてもらっていました。
もし、オンラインや対面でレッスンを受けることがあれば、先生に相談してみて下さい。
生徒と先生の両方にわかりやすい2冊を紹介します。
Díalogos,díalogos
三修社から出版されている「Díalogos,díalogos」は、対話メインでスペイン語を学ぶテキストです。
アルファベットの発音からスタートして、日常で良く使われる挨拶や時刻の表現、1日の予定などを段階を踏んで習得していきます。直説法を中心に展開していくため、スペイン語の基本的な会話を身につけることができるでしょう。
また、リスニングCDも付属していることから、自習にも適している教材です。
おすすめする理由
- 対話式の問題が多いため、会話力が向上する
- スペイン語初心者の方に構成されている
- イラストや写真が多くわかりやすい
簡単な構成のテキストは、先生も教えやすいですね
表現のためのスペイン語作文(スペイン語の先生向け)

朝日出版社「表現のためのスペイン語作文」です。
このテキストは、自分の言いたいことを文章で表現することをテーマとしており、自由作文の要素が強い特徴があります。和文西訳の形で解いていくのですが、答えは1つではありません。
例えば「夏は暑いです。」をスペイン語で何て言うでしょう。
・En verano hace calor.
・Hace calor en verano.
どちらも正解です。
このように答え方はいくつもあるため、柔軟なスペイン語の表現が身につきます。ほかのテキストと違い、全ての解答が記載されていないため、先生に確認してもらう使い方がベストです。
おすすめする理由
- スペイン語の幅が広がる
- 自分で考えるクセが身につく
- 先生とのやりとりによって、会話力の向上も期待できる
スペイン語の自由さに気付ける!
※ このテキストは先生向けの教材であるため、だれでも購入することはできません。
参考URL→https://text.asahipress.com/spanish/detail.php?id=1428
スペイン語初心者のうちはテキストを反復して土台を固めよう
この記事では、これからスペイン語を学ぶ方におすすめできる教材を紹介しました。
もちろん、人によって合う合わないがあるため、ここで紹介したテキストがベストだとは言い切れません。
しかし、スペイン語未経験だった僕が使用して、日常会話ができるレベルに到達できたことから信頼性が高いものと言えるでしょう。
もし、自身に合うテキストに出会えたなら、継続して取り組むことが重要になってきます。どんなに良いテキストでも、学習が続かなかったら宝の持ち腐れですからね。
この記事が皆さんの役に立つことを願っています。